教員採用試験の一般教養とは?出題傾向やよく出る問題・おすすめ勉強法を解説

教員採用試験における「一般教養」は多岐にわたる分野から出題されるため、対策に悩む方も多い分野です。人文科学や社会科学、自然科学、時事問題など幅広く問われるため、効率的な学習が欠かせません。
本記事では、一般教養の試験範囲や出題傾向を紹介します。効果的な勉強法も詳しく解説しますので、これから教員を目指す方はぜひ参考にしてください。
教員採用試験の一般教養とは?出題範囲も解説
教員採用試験の一般教養における出題範囲は、主に下記3ジャンルに分けられます。
- 人文科学
- 社会科学
- 自然科学
- 時事問題
それぞれに含まれる教科名や試験範囲について解説します。学習が必要な範囲を把握するうえでの参考にしましょう。
人文科学|国語・英語・文学・芸術の問題が出題される
人文科学の分野では、国語・英語・文学・芸術に関する幅広い知識が問われます。国語は現代文の読解に加えて、古文や漢文の文法・語句・内容理解も出題される分野です。
英語は中学・高校レベルの文法、語彙、英文読解が中心で、英語の基礎力が試されます。文学に関しては、代表的な作家や作品、文学史の知識が問われることも多いです。
上記内容に加えて、美術や音楽の基礎知識(有名な画家や作曲家、代表作)も出題対象となります。教養ある教員としての資質を評価するための出題意図があるため、試験範囲を網羅して対策を進めることが大切です。
社会科学|政治・経済・法律・地理・歴史が試験範囲に含まれる
社会科学では、下記5つの分野から出題されます。
- 政治
- 経済
- 法律
- 地理
- 歴史
政治では憲法、三権分立、選挙制度、国会の仕組みなどが出題されやすく、経済では景気動向、金融政策、物価、貿易などの用語や考え方が問われます。
法律分野では、日本国憲法を中心に、教育基本法や民法の一部も出題されます。地理では日本と世界の地形、気候、産業、地理的特徴が出題され、歴史では日本史・世界史の重要人物や出来事が問われるのが特徴です。
いずれも基礎的な内容が中心となるため、用語を丸暗記するのではなく、背景やつながりを理解して学ぶことが得点アップのポイントです。
自然科学|数学・理科が中心の分野
自然科学は、数学および理科の基礎的な知識が求められる分野です。数学は、下記を含む中学〜高校1年レベルの内容が中心で、計算力と論理的思考力が問われます。
- 関数
- 図形
- 確率
- 統計
- 数列など
理科に関しては、項目ごとにそれぞれ下記の内容が出題されます。
物理:力学や電気の基礎
化学:元素記号や物質の性質
生物:細胞や遺伝のしくみ
地学:天体・地層・気象など
グラフや表を読み取る問題も多く、知識だけでなく理解力も必要とされます。苦手意識を持つ受験者が多い分野ですが、頻出の単元に絞って学習すれば効率よく得点源にすることが可能です。
時事問題|教育関連の最新ニュースや業界動向の把握が必須
時事問題は他のジャンルとは異なり、出題内容が時代の流れに沿って変動します。国内外の政治経済動向やニュースだけでなく、下記など教育関連の話題をモチーフにした問題が出題されやすいのが特徴です。
- 新学習指導要領
- 教員の働き方改革
- GIGAスクール構想
- いじめ対策など
日々のニュースをチェックするだけでなく、教育専門誌や文部科学省の発信する資料に目を通すことも効果的です。短期集中では対策が難しい分野なので、日頃から情報収集を習慣づけておきましょう。
教員採用試験の一般教養でよく出る問題は?科目別に解説
教員採用試験の一般教養でよく出る問題について、下記のとおり科目別に解説します。
- 国語
- 数学
- 英語
- 理科
- 社会
近年の出題傾向も教科ごとに解説します。漏れがないよう満遍なく対策を行いましょう。
国語
国語では現代文の読解に加え、古文や漢文の基礎知識がよく出題されます。特に漢字の読み書きや四字熟語、ことわざ・慣用句の意味、文法・敬語の使い方は頻出分野です。
文章読解では、筆者の主張を正確に把握する力や論理構造を理解する力が求められます。古文では、助動詞の意味や敬語表現などの基本が中心で、難解な内容は出にくいのが特徴です。
全体的に中学〜高校初級程度の国語力を確認する問題構成となっており、短時間で正確に読む力が重要です。語彙力と文章理解力をバランスよく養うと、得点アップを実現しやすくなります。
数学
数学では、下記の分野に関する基礎・応用問題がよく出題されます。
- 一次関数・二次関数
- 割合・比の計算
- 速さや面積・体積の計算
グラフの読み取りやデータの処理といった実践的な問題もあり、論理的思考と数的処理能力が試されます。
出題レベルは中学〜高校1年程度であることが多いため、学校の教科書や中学入試レベルの問題集で十分対策が可能です。時間配分も重要なため、日頃から計算スピードと正確さを意識して練習しておきましょう。
英語
英語では、英文法・英単語・読解問題がよく出題されます。文法では時制・助動詞・関係代名詞・仮定法などが狙われやすく、品詞の識別や語順の知識も問われます。
語彙問題では同義語・反意語・前置詞の使い方など、文脈に合った語句を選ばせる形式が多いのが特徴です。読解問題は短文〜中程度の長さの英文を読んだうえで、内容や主旨の理解度が問われる問題が多い傾向にあります。
英語分野は、英検2級レベル程度の基礎力があると安定して点を稼ぎやすいのが特徴です。苦手意識を持ちやすい科目ですが、基礎文法と単語の暗記に重点を置くことで効率よく対策できます。
理科
理科では、物理・化学・生物・地学の4分野からバランスよく出題されます。それぞれの頻出問題は下記のとおりです。
物理:力・運動・電気に関する知識
化学:物質の性質や化学物質同士の変化
生物:細胞や生態系のしくみ
地学:天体や地層の基本知識が頻出です。
中学レベルの内容が中心で、暗記だけでなく仕組みの理解が必要とされます。計算問題も一部含まれるため、公式の確認と簡単な練習は必須です。苦手分野を放置せず、頻出単元から優先的に学習することが大切です。
社会
社会の問題は、地理・歴史・公民の3範囲から出題されます。地理では地形や気候、地域の特色など、地図や統計資料を使った問題が多く、視覚情報の読解力が求められます。
歴史では年表を用いた年代整序、重要人物の業績や出来事の背景が出題されます。公民では憲法や三権分立、国会・内閣の仕組みや経済の基本概念など、現代社会のしくみに関する問題が中心です。
全体的に中学レベルの基本事項をしっかり押さえつつ、語句の暗記だけでなくそれぞれの内容のつながりや背景を理解することが得点の鍵となります。
教員採用試験の一般教養おすすめ勉強法は?対策のコツを紹介
教員採用試験の一般教養対策の対策方法は、主に下記4つです。
- 過去問5年分を徹底的に解く
- 解いた問題にランクづけをする
- 得意な分野は満点を目指す
- 無理だと思ったジャンルの問題は捨てる
一般教養の対策が中途半端にならないよう、それぞれのフェーズにおける重要ポイントもチェックしましょう。
過去問5年分を徹底的に解く
教員採用試験の一般教養では、過去問の活用が最も効率的な対策方法です。特に、直近5年分の問題を徹底的に解くことで、科目ごとの出題傾向や頻出分野がつかめます。
試験範囲や出題傾向は自治体ごとに異なるため、志望自治体の過去問を優先しましょう。同じ問題形式が繰り返し出されることも多いため」、問題のパターンや時間配分にも慣れることができます。
過去問は1回解いて終わりにせず、繰り返し解き直して解法や知識を定着させることが重要です。出題傾向を分析する姿勢が、本番での安定した得点力につながります。
解いた問題にランクづけをする
過去問や問題集を解いた後は、下記のような形でランクづけを行いましょう。
- A=自信あり
- B=ある程度できる
- C=まったく分からない
強化や問題のランクづけにより、自分の理解度を客観的に把握でき、復習の優先順位を明確にできます。
Aランクの問題は数日後に再確認する程度で済ませ、B・Cランクの問題を重点的に復習することで効率的に学習が進みます。ランクづけと復習をセットで繰り返すことで、弱点の克服にもつながり、限られた学習時間の中でも着実なスキルアップが図れます
得意な分野は満点を目指す
教員採用試験の一般教養は、全分野を完璧に網羅する必要はありません。得意な分野をしっかり伸ばし、満点を取るつもりで学習を進めると、合格ラインに届く可能性が高まります。
国語や社会が得意なら、頻出分野を徹底的に深掘りして確実に得点できるようにしましょう。得意分野で高得点を取ることで、苦手分野の失点をカバーできます。自信のある科目ほど繰り返し演習を重ねて、取りこぼしのない状態にしておくことが大切です。
無理だと思ったジャンルの問題は捨てる
すべての分野を完璧に仕上げようとすると、時間も労力もかかるため逆に非効率になってしまいます。苦手意識が強く、何度やっても理解できない分野は思い切って「捨てる」選択も必要です。
理科や数学に苦手意識がある場合、基本的な問題だけ押さえてそれ以上は深追いしない判断も戦略の一つです。その分の時間を得意分野や頻出ジャンルの強化に回した方が合格率は高まります。全ての分野で完璧を目指すより、合格に必要な点数を効率よく取ることを意識しましょう。
教員採用試験の一般教養に関してよくある質問
最後に、教員採用試験の一般教養に関してよくある下記の質問へ回答します。
- 教員採用試験の一般教養試験がない自治体もある?
- 教員採用試験の一般教養対策は過去問だけでOK?
- 教員採用試験の一般教養対策にアプリは有効?
一般教養対策で失敗しないよう、試験対策のヒントを見つけるうえでの参考にしてください。
教員採用試験の一般教養試験がない自治体もある?
教職教養や専門教養、小論文、面接などに重点を置く自治体では、一般教養が課されない場合があります。ただし、その分他の試験の比重が大きくなるため注意が必要です。
また一般教養を廃止した年度があっても、翌年度に復活する自治体もあります。受験予定の自治体の最新の試験要項を必ず確認し、一般教養があるかどうかを把握しておくことが大切です。
教員採用試験の一般教養対策は過去問だけでOK?
教員採用試験の一般教養対策過去問に頼りきると、知識の抜け漏れや応用力不足につながるおそれもあります。特に時事問題や、新傾向の出題が見られる年度では、過去問だけでは対応しきれないケースもあるため注意が必要です。
過去問で基礎を固めつつ、問題集や教材、ニュース・教育関係の資料などを取り入れることで、より万全な対策を行えます。過去問はあくまで土台として活用しつつ、補完的な学習も適宜行いましょう。
教員採用試験の一般教養対策にアプリは有効?
スキマ時間の学習には、教員採用試験の学習に関するアプリがおすすめです。一般教養は出題範囲が広いため、日常的に知識を積み重ねるにはアプリの活用が欠かせません。
用語の暗記や一問一答形式の問題演習、ニュースのチェックなどを、通勤・通学中や休憩時間に手軽に進めることが大切です。ただしアプリはあくまでメイン教材の補助として使うのが理想なので、過信しすぎずバランスよく活用しましょう。
教員採用試験の一般教養試験では「過去問の繰り返し×分野ごとの取捨選択」が合格のカギ!
教員採用試験の一般教養試験では、「過去問の繰り返し×分野ごとの取捨選択」が合格のカギです。まずは過去5年分の問題を解いて出題傾向を把握し、よく出る分野を重点的に対策しましょう。
自分の得意分野は確実に得点できるよう仕上げ、苦手で伸びにくい分野は思い切って捨てる判断も必要です。時間を効率よく使い「戦略的に学習を進める」ことが、合格への最短ルートとなります。
教員採用試験の一般教養試験対策なら「あらら先生教採合格塾」へ
教員採用試験の一般教養試験対策には「あらら先生教採合格塾」がおすすめです。
あらら先生教採合格塾では、神奈川県川崎市で教員経験を持つ代表・こいずみあきら氏が「教員試験絶対受からせる人」として日々塾生の教育・コーチングに励んでいます。
試験合格に向けた勉強方法やマインドセットに関する配信が毎日行われているので、日々の学習を仕組み化したい方にも向いています。
教員採用試験に合格したい方、筆記試験対策に不安がある方は、あらら先生教採合格塾の公式ラインをチェックしましょう。