教員採用試験の二次試験の内容は?合格率や対策方法も紹介

教員採用試験の二次試験は、一次試験を突破した受験者の前に立ちはだかる次の関門です。試験は面接・実技・論文・適性検査の4ジャンルに分かれており、それぞれ異なる視点から評価が行われます。
この記事では、各試験の内容や合格率の最新データ、さらに合格に向けた対策方法をジャンル別に詳しく解説します。これから試験に挑む方、教員へ向けた再チャレンジを考えている方は、ぜひ参考にしてください。
また、この記事では二次試験の内容ごとに参考にしていただきたい記事へのリンクも添付しております。面接や論文など、ジャンルごとに集中的な対策をしたい方はぜひ参考にしてください。
教員採用試験の二次試験の内容は4ジャンルに分けられる
教員採用試験の二次試験は、下記4ジャンルの内容が試験に組み込まれています。
- 面接試験
- 実技試験
- 小論文試験
- 適性検査
それぞれ具体的な試験内容や出題傾向を紹介します。教員採用試験の概要を知るうえでの参考にしましょう。
面接試験
二次試験の中心科目である個人面接では、主に下記のポイントが評価されます。東京都では面接官3人・約30分の試験形式となっており、面接カード提出が求められる自治体も多いです。
- 教職への「理解」
- 教師になる「意欲」
- 意見を言語化できる「コミュニケーション能力」
- 教員に欠かせない「思考力」など
質問は「長所とその具体エピソード」や「教育実習での学び」に関する深掘りが多く、受験者の思考や行動方針が見られます。
評価基準には下記の内容が明記されており、質問への回答には根拠や具体的なエピソードが欠かせません。
- 教職への理解度
- 指導力
- 対応力
- 将来性
模擬面接や第三者からのフィードバックを通して、事前に自分の価値観や教員像を言語化しておくのがおすすめです。
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実技試験
下記の教科を志望する受験者には、実技試験が実施されます。実技試験は模擬授業の形式で行われるケースもあるため、スキルだけでなく「生徒に教えるスキル」も高めておくことが大切です。
- 美術
- 音楽
- 保健体育
- 技術
- 家庭科
- 英語
美術はデッサン、英語はショートスピーチやQ&A形式の試験が行われるケースが一般的です。評価基準には下記の内容が含まれ、A〜Eの段階評価で判定されます。
- 教科に関する専門知識
- 技能
- 授業の組み立て方
- 生徒の理解を促す工夫など
模擬授業や実技練習は、過去に出題されたテーマや課題を元に繰り返し実施し、時間配分や表現力のブラッシュアップを図りましょう。自治体によって異なる試験内容を分析しつつ、実践型の練習を早めに始めることが合格に近づくポイントです。
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小論文試験
小論文試験では、下記の内容を重点的にチェックされます。試験時間は60〜70分、文字数は910〜1050字程度が一般的です。
- 自分の主張を論理的に展開する力
- 文章読解力
- 教育現場を想定した思考力
- 教師としての適性など
100点満点となっており、主に下記のジャンルに応じて得点が決まります。
- 課題把握力
- 実践指導力
- 論理的思考力
- 文章構成力
- 国語力など
場面指導に関する課題も多く出題されるため、出題内容から読み取れる状況を想定して「自分ならどう対応するか」を構造的に記述します。例年、多くの受験者が考えの文章化や字数調整に苦戦するため、実際の試験を想定した文章構成の練習が欠かせません。
特に設問意図を読み誤ると評価を得られないことが多いため、模範解答に対する第三者の添削とフィードバックを繰り返すことが重要です。
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適性検査
教員採用試験における適性検査は、受験者の人物像や教師としての適性を客観的に評価する目的で多くの自治体で二次試験に含まれています。それぞれの項目がA〜Eの段階で判断され、評価対象になるのは主に下記の項目です。
- 性格的特性
- ストレス耐性
- 協調性など
適性検査の結果は、第一次試験後の合格発表に併せて発表されます。無料の模擬適性検査や過去例題で傾向をつかみ、時間制限内に焦らず回答できるよう練習しておきましょう。
教員採用試験の二次試験の合格率はどれくらい?
教員採用試験の二次試験(最終選考)の合格率は、全国平均で約35〜40%程度です。2025年度のデータでは最終倍率が約2.7倍となっており、受験者の約3人に1人が合格する計算となっています。
小学校が比較的低倍率で合格しやすい一方で、中学校や高校、特別支援などは競争率が高い傾向にあります。合格率は自治体によっても差があるため、志望先の過去データを確認し、対策を練ることが大切です。
教員採用試験の二次試験の対策方法
教員採用試験の二次試験の対策方法について、下記のとおりジャンル別に解説します。
- 面接試験
- 実技試験
- 論文試験
- 適性検査
それぞれの試験において「どの部分を見られるか」「何に備えて対策を練っておくべきか」を重点的にチェックしましょう。
面接試験対策のコツ|質問傾向の分析と意見の言語化が必須
面接では教職への適性に加えて、人柄や教育観などが見られます。「なぜ教員を目指すのか」「どんな教師になりたいか」といった質問に対して、自分の体験に基づいた答えを用意しておくことが大切です。
過去問をもとに想定問答を作り、第三者と模擬面接を繰り返すことで、答え方や表情、声のトーンなどの非言語面も含めてブラッシュアップしましょう。面接カードの内容との一貫性も重視し、事前に形式を確認して対策を進めることが大切です。
実技試験対策のコツ|スキルを周りにアウトプットする工夫が大切
実技試験では、美術や音楽など教科ごとの技能と、それをどう指導できるかが評価されます。特定教科に関する実技スキルだけでなく、生徒に分かりやすく伝える力や表現の工夫も求められる試験です。
実技試験は自分だけで練習するのではなく、友人や第三者に見てもらいつつ、フィードバックを受けながら技術と表現の両方を高めましょう。
当日の服装も事前にチェックしつつ、時間内で正確に課題をこなす練習や、試験当日の環境を想定した対策を行うことも大事です。
論文試験対策のコツ|実際の試験時間を意識した文章作成のスキルが必要
論文試験では、教育現場で直面する課題やテーマに対して、論理的かつ具体的な意見を文章に展開する力が試されます。出題内容には下記などがあり、PREP法(主張・理由・具体例・結論)の流れを意識するのが大切です。
- 理想の教師像
- 保護者対応
- いじめ防止
- ICT教育
タイマーを使った模擬練習を繰り返し、字数制限にも慣れておきましょう。漢字や句読点の使い方、誤字脱字といった基本的な表記ミスも減点対象となるため注意が必要です。
また論文試験対策では、出題傾向をチェックして幅広いニュースに対応できるよう準備する必要があります。教育時事に関するニュースや学習指導要領の内容を日頃からチェックし、自分の意見と結びつけられるように整理しておきましょう。
適性検査対策のコツ|矛盾なく一貫性ある回答が求められる
適性検査では「自分はリーダータイプである」「集団で行動するのが好き」といった設問に、あてはまる・あてはまらないを選ぶものが多く見られます。設問への回答ごとに矛盾が出ないよう、一貫性のある回答をすることが大切です。
適性検査で受験者の「人間性」や「自己理解の深さ」が見られているため、取り繕った答えではなく、素直に自身の特性を反映させるよう意識しましょう。点数化されない試験でも、総合評価に影響する可能性があるため油断は禁物です。
教員採用試験の二次試験に関してよくある質問
最後に、教員採用試験の二次試験に関してよくある下記の質問に回答します。
- 教員採用試験の二次試験に落ちたらどうする?
- 教員採用試験の二次試験の日程はいつ?
- 教員採用試験を受けるときの服装はどうすればよい?
- 教員採用試験の一次試験はどんな内容が出題される?
それぞれの質問の回答にも目を通し、来年の試験へ向けて対策を進めましょう。
教員採用試験の二次試験に落ちたらどうする?
二次試験に不合格だった場合、次年度の再チャレンジが可能です。まずは今回の試験を振り返り、どの分野で評価が不足していたのかを分析しましょう。面接や論文の内容を記録しておくと、来年へ向けた対策に役立ちます。
また教員採用試験の二次試験に落ちた場合、民間教育機関や臨時教員として経験を積む道もあります。落ち込みすぎず、早めに気持ちを切り替えて次の試験に向けた準備を始めることが大切です。
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教員採用試験の二次試験の日程はいつ?
教員採用試験の二次試験は自治体ごとに異なりますが、一般的には7月下旬から8月末の間に行われます。一次試験の合格発表から日程の詳細が公開されるため、公式サイトや通知文をこまめにチェックしておくことが重要です。
東京都の場合は7月末に一次試験の合格発表があり、翌月に二次試験が実施されます。実技がある教科では、日程が複数に分かれるケースもあるため、具体的な時間や会場の場所を確認しておきましょう。
教員採用試験を受けるときの服装はどうすればよい?
教員採用試験の面接や論文、論述試験では、基本的に黒や紺のリクルートスーツが適しています。服装は第一印象に大きく影響するため、清潔感と落ち着いた印象を大切にしましょう。
男性はネクタイに革靴・短めの髪型を意識し、女性は厚めの化粧や装飾を避け、長髪はまとめるのがおすすめです。面接では見た目の誠実さや態度も含めて評価されるため、靴の汚れや服のシワもチェックしましょう。
教員採用試験の一次試験はどんな内容が出題される?
教員採用試験の一次試験では、一般教養・教職教養および専門教養に関する筆記試験が行われます。一般教養は国語・数学・英語・時事問題など幅広く、教職教養では教育法規や学習指導要領、教育心理などが出題されます。
専門教科は志望する教科に応じた知識と指導力が問われ、マークシート形式が一般的です。配点比率は自治体によって異なり、記述問題が含まれる場合もあります。志望自治体の過去問に取り組むことで出題傾向を把握し、効率よく学習を進めましょう。
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教員採用試験の二次試験の範囲は面接や論文、実技など多岐に渡ります。知識だけでなく受験者の人物像や指導力、思考力が総合的に評価されるため、事前の対策が欠かせません。
試験対策では模擬面接や論文添削を繰り返して自己PRや教育観を具体的に言葉にできるよう準備しましょう。過去問演習や第三者とのロープレを繰り返しつつ、本番を意識した練習をすることで自信がつきやすくなります。
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