教員採用試験の集団討論はどう対策するべき?過去出題されたテーマや解答例も紹介!

教員採用試験では、個人面接に加えて「集団討論」が課される自治体も多くあります。限られた時間の中で他の受験者と協力しながら議論を進める力が求められるため、苦手意識を持つ方も少なくありません。
この記事では、教員採用試験における集団討論の対策方法を解説します。過去出題されたテーマや意識すべきポイントもチェックしましょう。
教員採用試験の集団討論とは?出題形式を解説
教員採用試験の集団討論とは、受験者数名が1つのテーマについて話し合い、意見を交わしながら答えを導き出す形式の試験です。一般的には4〜6人程度のグループに分けられ、制限時間は15〜30分前後に設定されます。
自治体によっては司会・書記などの役割を決めるケースもありますが、全員が自由に意見を述べ合う形式で議論を進めるケースもあります。受験者は自分の意見を論理的に伝えつつ、他者の意見をヒアリングする姿勢も求められます。
集団討論のテーマは幅広く、学校現場で実際に直面する課題が多く出題されます。討論の結果そのものよりも話し合いの過程における協調性や教育的視点、コミュニケーション力が総合的に評価される試験です。
教員採用試験の集団討論における評価ポイント
教員採用試験の集団討論では、下記4つのポイントが評価基準となります。
- 協調性
- コミュニケーション能力
- 論理的思考力
- 教員としての資質
それぞれ詳細を解説します。集団討論試験で「何をどう見られるのか」をチェックしましょう。
協調性|他の受験生と歩調を合わせる姿勢
集団討論では、自分の意見を主張するだけでなく、他者の意見を尊重しながら話し合いを進める姿勢が求められます。他の受験生が話しているときの適度な相づちや要約、意見の橋渡しができるかどうかも評価ポイントです。
集団討論では、一人で結論を導くのではなく「チーム全体で協力しながら最適解を探す」という意識を持って行動できる人が高く評価されます。相手と意見が違っても否定せず、肯定的に受け入れつつ議論を進める姿勢が大切です。
コミュニケーション能力|意見を「伝える・聞く力」のバランス
集団討論では自分の考えをわかりやすく伝えるだけでなく、他者の話にも真摯に耳を傾ける姿勢が問われます。難しい言葉を避け、結論ファーストでわかりやすい発言を心がけましょう。
他受験者の意見を聞いているときの姿勢や表情、相づちなどの非言語コミュニケーションも大切です。良い意見が浮かんでも一方的に話すのではなく、全体における会話のキャッチボールを大切にしましょう。
論理的思考力|筋道を立てて物事を考えられる力
集団討論では、発言に理由や根拠があるか、話の流れが論理的かどうかも評価されるポイントです。「〇〇だから△△と考える」といった形で、物事の因果関係をはっきりさせると説得力が高まります。
相手の意見と自分の意見を比較しながら話を展開できると、より深みのある議論になります。論点がずれたり感情的な発言になったりしないよう、常に「何のテーマについて話しているのか」を意識しましょう。
教員としての資質|教育者に必要な視点を持っているか
集団討論では、発言の中に「子どもにとってどうか」「学校現場ではどうか」といった視点があるかどうかも重視されます。保護者や同僚との連携、安心できる学級づくりなど、教育現場で働く姿をイメージした意見が求められます。
高い理想だけでなく、現実的かつ実践的な視点を持つことで、教員としての資質が評価されます。「教員になった自分ならどのように対応するか」を考えておくと、より内容の濃い発言ができるようになります。
教員採用試験の集団討論で過去出題された問題
教員採用試験で過去に出題された集団討論の問題を、下記3つのジャンルに絞って紹介します。
- 教育時事
- 学校現場の課題
- 教育理念
教育時事|社会や教育制度の変化に関するテーマが多い
教育時事に関するテーマは、過去に下記4つが出題されています。
- ICTを活用した授業の在り方
- コロナ禍を経た学校教育の課題と可能性
- 不登校支援における教育委員会の役割
- 教員の働き方改革を進めるために必要なこと
教育に関わる時事問題や制度改革に対する理解や、自分なりの意見を言語化できる能力が問われます。
学校現場の課題|家庭・クラスにおける課題への対処法がよく出る
学校現場の課題に関するテーマは、過去に下記4つが出題されています。
- いじめを未然に防ぐための具体的な取り組み
- 保護者との信頼関係を築くためにできること
- 教員同士の連携を深めるための工夫
- 多様な家庭環境を持つ子どもへの対応
いじめや保護者とのやり取りなど、教員として直面しやすい課題をイメージし、意見を出す姿勢が求められます。
教育理念|教員の資質や信念が問われる
教育理念に関するテーマは、過去に下記4つが出題されています。
- 教育における「個別最適な学び」とは
- 子どもの自己肯定感を高めるために必要なこと
- 「主体的・対話的で深い学び」を実現する方法
- 教員に求められる倫理観とは
理想論だけでなく、結論ファーストで根拠のある意見を語れるよう準備する必要があります。
教員採用試験の集団討論対策のコツ
教員採用試験の集団討論対策では、下記3つのポイントを意識しましょう。
- 雰囲気づくり
- 気遣い力
- テーマに沿った議論
それぞれ意識しておくべきポイントも紹介します。
雰囲気づくり|話を聞く姿勢や表情を大切に
集団討論では、自分の発言内容だけでなく、全体の空気づくりを意識する姿勢が見られています。下記のアクションを意識しながら話すことで、他の受験者も話しやすい雰囲気になります。
- うなずき
- 相づち
- 笑顔
- 共感
- 褒める言葉など
他受験者の話を聞いていないような態度や無表情は、協調性に欠ける人と見なされやすいため注意が必要です。自分の話す時間だけでなく、聞いているときの態度や反応も大切にしましょう。
気遣い力|簡潔でわかりやすい言葉遣いを意識する
集団討論では、誰が聞いても理解できるように平易で具体的な表現を使うことが大切です。難しい言葉や抽象的な表現を使いすぎると、伝わりづらくなってしまいます。
意見を出すときには、前置きの言葉(「私はこう考えます」「一つ提案があります」など)を加えましょう。聞き手に配慮した話し方ができるかどうかも、教育者としての資質を見られるポイントです。
テーマに沿った議論|話が逸脱しないよう注意する
集団討論では、テーマに沿った議論が必要です。議論の中で話題がが逸れた場合「テーマは〇〇なので、それに戻して考えてみましょう」といった形で軌道修正する姿勢が評価されます。
常にテーマとの関係を意識しながら発言することを意識し、的確で一貫性のある議論を進めましょう。
【個人・全体別】教員採用試験の集団討論対策のポイント
教員採用試験の集団討論対策で意識すべきポイントを、個人・全体別に紹介します。
個人での目標|笑顔でのやり取りから討論の場回し役を目指す
集団討論における個人での行動目標をレベル分けすると、下記のとおりとなります。
- レベル5:討論の場を回す
- レベル4:討論の流れに乗って発言する
- レベル3:時間配分ができる
- レベル2:討論の見通しを持ちゴールをイメージして発言できる
- レベル1:基本笑顔で話す、頷く
集団討論においては、自分の発言内容だけでなく、全体の進行にどう関わるかも評価対象となります。まずは笑顔やうなずきなど、基本的な聞く姿勢を意識し、次第に話の流れを読み取って発言できるようになりましょう。
最終的には全体の意見を整理し、議論を円滑に進める「場回し役」を担えるようになると高評価につながります。
全体での目標|話し合いの場を整えて答えを見つけ出す
集団討論における団体での行動目標をレベル分けすると、下記のとおりとなります。
- レベル5:全員で納得解に到達
- レベル4:全員の討論の軸が一致
- レベル3:タイムマネジメントができ、まとめまで余裕を持って進められる
- レベル2:テーマに沿った討論をする
- レベル1:話せてない人がいない
集団討論では個々の発言力だけでなく、グループ全体で建設的な議論ができているかが重視されます。まずは全員が安心して発言できる環境を整え、テーマに沿った話し合いを進めることが大切です。
時間を意識しながら議論の軸を共有し、最終的に「みんなが納得できる結論」を目指しましょう。
教員採用試験の集団討論対策には「協調性と伝える力」が欠かせない
教員採用試験の集団討論対策には「協調的に考え、伝える力」が欠かせません。評価されるのは内容の正しさよりも、相手を尊重しながら建設的に意見を交わす姿勢です。
集団討論を円滑に進めるためには、笑顔やうなずきといった基本姿勢に加え、わかりやすい言葉遣いやテーマを意識した話し方も大切です。個人で役割を全うする姿勢と、全体として一つの答えを導く行動を意識して練習を重ねましょう。
教員採用試験の集団討論対策なら「あらら先生教採合格塾」へ!
教員採用試験の集団討論対策には「あらら先生教採合格塾」がおすすめです。
あらら先生教採合格塾では、神奈川県川崎市で教員経験を持つ代表・こいずみあきら氏が「教員試験絶対受からせる人」として日々生徒の教育・コーチングに励んでいます。
試験合格に向けた勉強方法やマインドセットに関する配信が毎日行われているので、日々の学習を仕組み化したい方にも向いています。
来年の教員採用試験に合格したい方は、あらら先生教採合格塾の公式ラインをチェックしましょう。