教員採用試験の専門教養とは?科目ごとの試験内容やおすすめな勉強方法を紹介

教員採用試験において合否を大きく左右する「専門教養」は、科目ごとの専門知識や指導力が問われる重要なパートであり、自治体ごとに出題傾向や配点も異なります。
この記事では、教員採用試験の専門教養における基本的な考え方や各科目の試験内容、効果的な勉強法について解説します。
教員採用試験の対策で「何から手をつければいいかわからない」「効率的な学習方法を知りたい」という方は、ぜひ参考にしてください。
教員採用試験の専門教養とは?
教員採用試験の専門教養には、以下3つの特徴があります。
- 専門教養では教科ごとの専門知識が問われる
- 一般教養や専門教養よりも配点の高い自治体が多い
- 小学校と中学校・高校で試験内容が異なる
試験対策の一環として、専門教養における教科としての特徴をチェックしましょう。
専門教養では教科ごとの専門知識が問われる
専門教養における試験では、志望する校種や教科に応じた専門的な知識や指導法が問われます。
小学校志望者向けの内容では、以下の主要教科に加え、音楽や図工、体育や家庭科といった副教科も含まれる「全科」から出題されます。
- 国語
- 算数
- 理科
- 社会
- 外国語
対して中学校・高校試験の場合、一つの教科に特化した内容が出題されます。
大学入試レベルの問題も含まれるケースが多いため、各教科の目標や学年ごとの内容を理解しておきましょう。
一般教養や専門教養よりも配点の高い自治体が多い
多くの自治体では、専門教養の配点が一般教養や教職教養よりも高く設定されています。
以下は、幾つかの自治体における教採試験の配点表です。
自治体 | 一般教養 | 専門教養 |
北海道 | 40点 | 100点 |
福島県 | 30点 | 50点〜120点 |
仙台市 | 100点 | 200点 |
茨城県 | 150点 | 200点〜440点 |
群馬県 | 100点 | 200点 |
岐阜県 | 100点 | 400点 |
三重県 | 50点 | 100点〜150点 |
岡山県 | 60点 | 100点 |
長崎県 | 50点 | 80点 |
専門教養の得点は合否に大きく影響するため、重点的な対策が欠かせません。
小学校と中学校・高校で試験内容が異なる
教員採用試験の専門教養分野は、志望する校種によって出題内容が異なります。
小学校志望の場合は全教科を幅広く学習する必要がある一方で、中学校・高校志望者は、一つの教科に特化した深い知識が求められます。
試験範囲や難易度は校種だけでなく、教科ごとに異なるため、志望校種に応じた対策が必要です。
【科目別】教員採用試験の専門教養における試験内容まとめ|出題傾向も要チェック
教員採用試験の専門教養における試験内容について、以下のとおり科目別に解説します。
- 小学校全科
- 国語
- 社会
- 数学
- 理科
- 英語
- 保健体育
- 音楽
- 美術
- 技術
- 家庭科
- 特別支援教育
- 養護教諭
- 栄養教諭
それぞれの科目で出題されやすい内容も紹介しますので「どの科目では何が出題されるのか」といったポイントを幅広くチェックしましょう。
小学校全科|幅広い教科知識と指導力が問われる
小学校全科の試験では、国語、算数、理科、社会、外国語(英語)、音楽、図工、体育、家庭など全教科から出題されます。
学習指導要領に基づいた出題が多いため、各教科の目標や内容を理解しておくのが重要です。
各教科の基礎的な知識や指導法についても問われるため、幅広い対策が求められます。
国語|文学・文法・古典・読解の総合力が試される
国語の試験では、以下のとおり言語に関する基礎的な知識が問われます。
- 現代文
- 古文
- 漢文
- 文法
- 語彙
- 読解力 など
また、教育現場での指導法や学習指導要領に関する問題も出題されることがあります。
自治体ごとの過去問を活用し、出題傾向を把握しておきましょう。
社会|歴史・地理・公民などからバランスよく出題されやすい
社会の試験では、地理、歴史、公民の3分野から出題されます。
特に日本史の出来事の年代順や、地理的な知識、政治制度に関する問題が多いのが特徴です。
地域に関する出題も見られるため、志望自治体の地理や歴史についても学習しておくと良いでしょう。
数学|数ⅠA〜ⅢCや統計・論理問題も出題対象
数学の試験では、算数の基礎的な問題から、中学校レベルの数学まで幅広く出題されます。
特に確率や図形、方程式、関数に関する問題が多く見られるのが特徴です。
計算力だけでなく、問題解決能力や論理的思考力も求められます。
理科|物理・化学・生物・地学分野の知識を問われる
理科の試験では、主に物理、化学、生物、地学それぞれの分野から出題されます。
特に自然現象の理解や実験に関する問題が多く見られるので、重点的に復習しておくとよいでしょう。
学習指導要領に基づいた出題が多いため、各学年の理科の内容を把握しておくことが重要です。
英語|文法・英作文・読解・リスニング能力が問われる
英語の試験では、文法、語彙、読解、リスニングなど、英語の4技能に関する問題が出題されます。
小学校英語の指導法や、英語活動に関する知識も問われることがあります。
基本的な英語力を身につけるとともに、指導法についても学習しておくと良いでしょう。
保健体育|保健理論・運動学・指導法・スポーツ史を中心に出題
保健体育の試験では、運動に関する知識や指導法、健康や安全に関する問題が出題されます。
特に、学習指導要領に基づいた指導内容や、児童生徒の発達段階に応じた指導法についての理解が求められます。
また、生活習慣病、ヘルスプロモーション、食品問題、環境問題、心の健康問題など、保健・健康に関する幅広い知識も必要です。
音楽|楽典・視唱・音楽史・器楽・歌唱法に関する知識が求められる
音楽の試験では、音楽理論、楽譜の読み方、音楽史、指導法などが出題されます。
学習指導要領に基づいた指導内容や、合唱や器楽合奏の指導法についての理解が求められます。
日本の伝統音楽や民族音楽など、音楽に関する幅広い分野の知識も問われます。
美術|美術史・造形理論・鑑賞・表現方法の理解が必要
美術の試験では、美術の歴史や理論、作品の鑑賞、制作技法、指導法などが出題されます。
特に、学習指導要領に基づいた指導内容や、児童生徒の創造性を育む指導法についての理解が求められます。
描画・版画、彫刻、デザイン、色彩、工芸など、幅広い分野の知識も必要です。
技術|材料加工・情報・エネルギー系の実践的知識が問われる
技術の試験では、ものづくりに関する基礎的な知識や技能、情報技術、エネルギー、材料、加工技術などが出題されます。
特に、学習指導要領に基づいた指導内容や、安全に関する知識が求められます。
また、ICTの活用やプログラミング教育など、現代の技術教育に関する知識も必要です。
家庭科|衣食住・消費生活・子育てなど生活に関わる基礎知識が必要
家庭科の試験では、衣食住に関する知識や技能、消費生活、家庭経済、保育、福祉などが出題されます。
特に、学習指導要領に基づいた指導内容や、生活に密着した実践的な知識が求められます。また、家庭科の専門教養となる出題分野(家族・家庭、幼児・保育、高齢者など)についての理解も必要です。
特別支援教育|障害理解・指導法・個別支援計画に関する問題がメイン
特別支援教育の試験では、障害の種類や特性、指導法、支援体制、法制度などが出題されます。
特に、個別の教育支援計画や個別の指導計画の作成、合理的配慮に関する知識が求められます。
また、特別支援学校学習指導要領に示される目標や内容、自立活動の変遷についての理解も必要です。
養護教諭|保健管理・保健教育・救急処置に関する深い理解が求められる
養護教諭の試験では、保健管理、保健教育、健康相談、感染症対策、応急処置などが出題されます。
特に児童生徒の健康を守るための知識や技能、保健室経営に関する理解が求められます。
また、学校保健、学校安全、養護教諭の職務と保健室、健康診断、健康相談・健康観察、疾病とその予防、救急処置、学校環境衛生、関係法令、学習指導要領、教育時事など、幅広い分野の知識も必要です。
栄養教諭|食育・栄養管理・給食指導の知識と応用力が問われる
栄養教諭の試験では、栄養学、食品学、調理学、食育、学校給食、衛生管理などが出題されます。
児童生徒の健康を支えるための栄養指導や、食育の推進に関する出題も多いです。
学校給食摂取基準や学校給食衛生管理基準、食中毒に関する出題、給食指導や学校給食法、アレルギー対応などに関する出題もあります。
教員採用試験の専門教養のおすすめ勉強法
教員採用試験の専門教養におけるおすすめな勉強法について、以下のとおり解説します。
- 自治体ごとに異なる試験内容や配点を事前に把握する
- 過去問で学習した内容を自分なりにランク分けする
- 知識のインプットとアウトプットを反復して行う
専門教養の勉強でよくある落とし穴や、具体的な改善策もチェックしてください。
自治体ごとに異なる試験内容や配点を事前に把握する
教員採用試験における配点は全国一律ではなく、自治体によって異なるほか、出題内容や形式にも大きな差があります。
専門教養の比重が高い自治体もあれば、一般教養や教職教養の配点が比較的高めに設定されている自治体も多いです。
まずは公式の募集要項や過去の試験実績を確認し、自分が受験する自治体における教員採用試験の出題傾向を把握しましょう。
的外れな勉強を避けるためにも、志望先の情報を正確に集めることが合格への第一歩です。
過去問で学習した内容を自分なりにランク分けする
教員採用試験の過去問は、単なる練習問題ではなく「出題傾向の分析資料」として活用しましょう。
繰り返し出題されているテーマや分野を重点的に整理し、以下のように自分なりの重要度ランクをつけると、学習効率がアップします。
- A(頻出)
- B(ときどき出る)
- C(出題は少ない)など
範囲が広い専門教養では、全分野を均等に学ぶよりも「点が取りやすいところを確実に拾う」といった意識が大切です。
知識のインプットとアウトプットを反復して行う
教員採用試験の対策では、知識のインプットとアウトプットを反復して行う必要があります。
参考書を読むだけの「インプット中心」の学習では、記憶が定着せず、特典にも繋がりにくいのが特徴です。
覚えた知識は、問題演習・自作ノート・口頭説明などを通じて積極的にアウトプットしましょう。
模試や本番形式の問題に取り組み、時間配分や実戦力を養うことも大切です。
間違えた問題はすぐに復習し、なぜミスしたのかを分析する癖をつけましょう。
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